十数回の転職を繰り返す 「自分探し」を続けた、もうすぐ50、アラフィフの私の末路

十数回の転職を繰り返す 「自分探し」を続けた50代の末路 http://news.livedoor.com/article/detail/13455207/
カミさんに「これどう思う?」って言われて、色々話したり考えたりしたので(^^)
マーケティング戦略アドバイザー 永井 孝尚さんという方の、自著のPRも兼ねたお話で、永井さんをDISるつもりは全くないのですが、まさに、その末路扱いされた方と自分がドンピシャの部分も多くて(笑)
ちょっとだけ反論。
ざっくり言うと
<末路扱いされた人物・小林シゲキ(仮名)>
・30年間「自分探し」を続けた50代男性について取り上げている
・十数回の転職を繰り返しているが、最近は書類選考で落とされ続けているそう
・貯蓄がなく失業保険も切れるため、バイトで生活をつなぐしかないという
<私>
・30年間「自分探し」を続けてるアラフィフ男性
・学歴は専門学校中退。つまり高卒。たぶん小林氏より低学歴。 ・十数回の転職を繰り返しているが、大手さんや立派な企業では書類選考で確実に落ちるので、書類選考されない方法で仕事を渡り歩く。最近は独立。 ・貯蓄はほぼなく、妻も子もあり。最近妻も仕事を辞めた。
・貯蓄はないが仕事は順調。雇われの頃より収入はアップ。ひっぱりだこ。田舎暮らしで空気も食い物も美味いし、のんびりしてるし、子供はすくすく育ってる。夫婦も円満。もちろん細かな問題も色々あるけど、まぁ、おしなべては幸せな方だと思いますが、何か?
私は中学生くらいで「好きな仕事しかしたくない」と考え、いや、むしろ「基本、好きな仕事しかしない」と決めてきました。
しかし、それが簡単でなさそうな事も分かっていたので、「スキルを得られて、辞めても潰しのきく仕事」をしようとも考えました。
転んでもタダでは起きない。
私は母子家庭の長男です。 家は裕福ではありません。
好きな仕事はするけど、収入も無視する訳にはいきません。
ちょうど良い機会なので、やってきた仕事を並べてみましょう。
あまりにも転職してきたので、普段は割愛してる、あんまり自慢にもならない仕事も含めます。
それでも副業的なのも全部含めると大変なので、これでも一部割愛しています。
その仕事をした動機、辞めた理由も併記。
1,漫画家 動機:漫画を読むのが好きで描くのも好き 辞め:締切キツイ。守れない。無理。
2,CD屋(千葉) 動機:音楽好き 辞め:CD屋、思ったほどは面白くない。関東にいたけど、沖縄帰りたくなった
3,港湾作業員 動機:お金になる 辞め:貯蓄して付き合ってた子にプロポーズしようと思っていたが遠距離恋愛の結果フラれたから、どうでも良くなった。
4,映画スタッフ 動機:映画見るの好き 辞め:楽しいけど生活出来る収入にならない。その道で収入伸ばせるほど才能はない
5,自動車工場の作業員(岡山) 動機:お金必要 辞め:お金貯まってMac買ったし、バブルはじけて、給料も沖縄と大きな差がないし
6,映画上映イベント 動機:見たい映画あって、沖縄で上映予定ないから自主企画 辞め:上映イベント黒字にはなったが、見たい映画は見れたし、もういいか。と。
7,タウン情報誌・編集 動機:Macの仕事出来るし、昔から本読むのも同人誌作るのも好き 辞め:1995年。社長にこれからはインターネットですよ!やりましょう!って言ったらパソコンマニア扱いされたから
8,ホームページデザイン屋 動機:これからはインターネットだ!と思った 辞め:自営業収入安定してないし、きつい。雇われたい。
9,専門学校講師 動機:ホームページ制作教えられる人がそもそも県内にいなくて、要望された 辞め:1コマ幾らの金額低すぎだし、そんなにコマ数貰えないし、食えない。
10,マルチメディアコンテンツ組合 理由:誘われたから 辞め:同僚に相性合わないやつがいたから
11,広告代理店 動機:給料良いし企画楽しそうだし、スキル活かせそうだから 辞め:体調。このまま続けたら絶対死ぬと思ったし、フィルムコミッション(FC)の仕事したかったから
12,県の調査事業の調査員 動機:FCに興味があり、ギャラも良かったから 辞め:事業終了
13,フィルムコミッション 動機:県内で自分よりFCについて詳しい人はいないという自負 辞め:契約なので期間満了
14,フリー 動機:就職したい会社あったが給与面で折り合わず。フリーの方が安定しないけど金額的には儲かるから。 辞め:観光協会設立誘われたから
15,観光協会 動機:誘われたから。あとかなり熟考した結果、自分が活かせると思ったから 辞め:5年で、結構実績出してやり切った。あと二代目会長と相性合わず。
16,フリー 動機:まぁ、何とかなるだろう。年齢もそれなりだし、今更就職もね。 辞め:会社にした方がお得な気がした
17.会社設立 動機:もう、今後は自分のやりたいこと、全部やろう。あと自分の培ってきたもの全部、色んな人や組織に分配していこう。
という訳でリストにしてみると17回以上でした。
辞め理由もところどころダメ人間っぷりが醸し出されています。
最近の一番の悩みは「自分のやりたいこと、全部やろう。」って考えてるので「どんなお仕事です?」って聞かれるのが一番困ってます。単純明快に答えられないので「何でも屋です」とか「やりたい事で出来る事、何でもやってます」とか、今やってる仕事を列挙します。
若い頃は「結局、何の仕事がしたいの?」って良く聞かれました。親や兄弟とかにも。
やはり答えられず、困ったものです。「今はこれやってる。まぁ楽しいし。食えるし。」くらいしか言えませんでした。
つまりは全く変わってません。成長がないですね。この部分では。
昔も現在も「私の仕事はこれ」と回答出来ないのです。
強いて言えば「プロデューサー」という職業かも知れません。便利な言葉です。
しかし何のプロデューサーですか?と聞かれると、これまた明確には答えられません。
先のブログに登場する「小林さん(仮名)」は
「自分が好きなことしかしたくない」
と言う割に
面接役の課長が「小林さんが好きなのは、どんな仕事ですか?」と聞かれると、言葉に詰まります。
私は、その気持が良くわかります。
「オレは自分が好きな仕事をしたかっただけなんだけどな。なんでこうなったのだろう?」と就職先と探す姿は、ある意味、昔の自分を見ているようです。
しかし
小林さんが「見つけてない」のは間違いありませんが
私から言わせてもらえば、面接役の課長も「見えていません」
小林さんは「自分の好きな仕事がどこかにきっとある」と考えていますし、面接役の課長も「多くの人は得意な事を持ち、好きな仕事があるだろう」と考えています。
もちろん、そういう人もいるでしょう。
しかし、私はそういう人は実は社会には殆どいないのではないか?と見ています。
歴史を見れば明らかです。
「職業選択の自由」が生まれたのはごく最近です。大日本帝国憲法(明治憲法)には、記載がありません。概ね、明治頃までは自分で職業を探すよりも「家を継ぐ」のが当然だったからです。
農耕時代は皆農家だったし、工業が発展したら皆工場で働きました。経済が発展して、今は皆「会社勤め」になりました。昔の人が農耕得意・農耕好きだったり、工場作業得意・工場作業好きだったり、現代人が会社勤め得意・会社勤め好きと考えるのは…あまり説得力を感じません。
私は「映画」が好きなので、その仕事をしたいと思いましたが、映画だけでも、プロデューサー、監督、俳優、助監督、カメラ、カメラアシスタント、録音、美術、制作、照明、衣装、メイク、車両、編集、字幕、CG、アニメーション、映画配給、興業(映画館)、映画評論家、等など。本当はもっと細かく色々な仕事もあります。
全部を経験する事は難しいですし、「映画に関わる仕事」という意味では、どれも「好きな仕事」と言えますが、どの分野にいっても「クズみたいな仕事」は存在し、そこから逃げる事は不可能です。
「映画の仕事がしたいです」と明確に目標があったとしても、そこから先の仕事は分業化されており、自分がどの仕事を好きか?得意か?は模索するしかありません。 やってる人でもわからんのですよ。
何かが好きで、そのメーカーに入って、制作出来ると思ったら営業だった。
みたいな話、ゴマンと有ります。
酷な話ですが多くの人は、得意でも好きでもない仕事をしています。
そもそも、得意なもの、好きなものを仕事にして、生活の糧を得たいなら 就職という道はほぼないと私は思うのです。
就職は、好きとか得意とか関係なく「出来る仕事」を探す行為。ではないかと。
好きな仕事をしたい人は<そういう仕事を作る>ほかないと考えています。 記事では小林さんの対比として、30歳のカメラマン助手が登場しますが、このカメラマンは独立したから、好きな仕事をしているのであって、就職によって好きな仕事をしているのではありません。
実際、就職した「カメラメーカー」は、結局「天職」にはなっていません。
私は幸せな事に、世の中には「求人」に応募せずとも働く方法もある。
という事を早くから教えてくれる人が周囲にいたため、そちらに進む事にしました。
求人のかかっていない所に「雇って下さいよー」と働きかけたり、
実質的に押しかけて実力見せて働いたり、
「企画」を持っていって、雇ってもらったり、
最近は「職場そのものを作ってしまう」というのがお気に入り。
フィルムコミッションも、観光協会も、職場そのものを作って入りました。
<書類選考されない方法>を磨いてきたと言ってもいいでしょう。
マルチメディアコンテンツ組合あたりからは、履歴書もよっぽどじゃない限り書いてません。
独自のプロフィールシートを作って提出。「どうしても履歴書」という所はプロフィールシートと履歴書と2部出しましたが、採用側が見るのは間違いなくプロフィールシートの方でした。
そもそも日本の履歴書は、漫画家や映画スタッフやラジオパーソナリティ等「雇用ではない働き方」を想定したフォーマットになっていないので、雇用ではない働き方でずっと活動してきた私には、使い勝手が悪いのです。海外の場合を調べたら、海外はプロフィールシートを自分で作ると聞き、そちらを選びました。
私達が触れる「仕事」は世界の仕事の中のほんの一部です。
もし私の知人に小林さんのような人がいたら、私は
「そもそも好きなことがやりたいなら、自由業か起業の方が向いてますよ。どうしても就職って言うなら、東京が合わないんじゃ?他の地方行ってみては?あるいは日本が合わないんじゃ?海外行ってみるのもいいかもしれませんよ?」
とアドバイスするかも。
あるいは、好きな食べ物は?好きな映画は?お気に入りのモノは?趣味は?等、根掘り葉掘り聞いて、それに関する仕事を教えたり、それに関する新しい仕事を提案します。
例えばショートケーキが好きとしましょう。
まず誰でも思いつくだろうケーキ屋になれるかも。
ケーキは大量生産で作るメーカーもあるから洋菓子メーカーでもいいですね。
ショートケーキ評論家もあり。ショートケーキに合う究極の材料に拘って、イチゴ農家や、酪農家、砂糖職人、食材の輸入業なんかも面白いです。
ショートケーキ専門の写真家も面白い。ケーキ専門の本屋もいいですね!
ケーキの普及していない国にケーキ屋開くのも面白いなぁ。
ケーキ職人用の道具を作る職人もあり。ケーキ屋専門のインテリアデザイナーや建築家もあり。ケーキは好きだけど、不器用でケーキは作れないなら、職人に自分の思うケーキを作らせるケーキのプロデューサーというのも面白い。
世界のトップケーキ職人を招聘して、各地でイベントさせてもいいですね。
ショートケーキの学校も面白いかも。
世界一のショートケーキってどんなんだろう?
ショートケーキを食べた事ない子に食べさせた時の顔ってどんなんだろう?
ショートケーキ一つだって、どんどんワクワクしてくる!
いっくらでも仕事はあります。
まだ見たことも聞いた事もない仕事だって、考えられるし作れます。
ショートケーキ好きなら、全部「好きな仕事」って言えませんか?
「あなたという商品」の可能性は無限だと思うのです。
綺麗事ではなく。
どんなに「仕事出来ない」と言われてようが「負け組」と言われてようが。
旅をした方、様々な国の情報に触れた方はご存知でしょうが、世界は想像以上に多様であり、常に変化しています。
ですから、諸行無常、盛者必衰。どの時代、どの場所においても、勝者が勝者のまま、敗者が敗者のままでいる事の方が、むしろ困難だと思うのです。
東京ではダメかも知れません。日本ではダメかも知れなません。
でも地方や海外ではむしろ評価される可能性はあります。
「今までの業界」では「仕事出来ない」「負け組」かも知れませんが
「新しい業界」では評価の尺度が変わる事なんて、往々にしてあります。
「出来ない」と言われていた職人が後に人間国宝になった例もあります。
私は私という商品を一言で表す事が出来ません。
私はそんなに単純明快ではありません。
だから、私らしい仕事をしようとした時、私の仕事は単純明快でなくなります。
一つの道をコツコツと何十年も続けられる方には、本当に心の底から敬意を持っています。
私には出来ない事です。
しかし、だからと言って、私が劣っているとは思いませんし、不幸だとも思いません。大成功しているとは言えないでしょうが、失敗だとは思えません。ほどほど成功してると言ってしまっても、バチは当たらない気がします(^_-)-☆