沖縄フィルムオフィスロケ受入セミナー

August 8, 2017

 

 

 先週の8月4日(金)、沖縄観光コンベンションビューロー・沖縄フィルムオフィス主催で市町村や観光協会担当者向けの「ロケ地受入セミナー」が開催され、講師としてプレゼンをしてきました。

 

沖縄フィルムオフィスは、2003年に設立されたビューローの部署ですが。

私はそもそも、この沖縄フィルムオフィスの設立の可能性調査の段階から関わっており、いわば生みの親の1人みたいなもの。2003年から2011年までの8年間を沖縄フィルムオフィスのスタッフとして働いておりました。

 

ですから、私にとっての沖縄フィルムオフィスは古巣であり、このような形で今も事あるごとに私を呼んで頂ける事を心から感謝しています。

 

今回のセミナーでお話したのは、今帰仁村観光協会でのロケ受入について。その成果、課題、対応、応用についてお話させて頂きました。

 

ざっくりではありますが、プレゼンの概要をこちらで紹介します。

ロケ受入の成果。今帰仁の場合、とても分かりやすい成果があります。

 

それは今ではメジャーな観光地となった、古宇利島のハートロックです。

 

この場所は、地道なFC活動と、5年の歳月をかけて、行政の支援も支出も受けず(チャンスと運には恵まれましたが)全く無名のただの海岸の岩が、年間推計約80万人が訪れる観光地となった事例です。

「嵐」が出演するJALの先得CMで、一気にメジャーな観光地になったのは、それ以前の地道な活動があったからと言っても過言ではありません。

 

しかし、ハートロックは大きな課題も残しました。

駐車場、看板の乱立。

脱輪・交通事故の増加

客の取り合い、喧嘩

砂は土で濁り質が低下

ゴミ増加

狭い経済効果、住民他人事

など。

 

それらの反省から、今帰仁村観光協会では、新しい対応をする事にしました。

集客から選客、客育を重点におくようにしたのです。

 


選客とは、お客さんを選ぶ事です。


皆さんたくさん来て下さい。というアプローチではなく、価値をわかって頂ける方、価値観の共有が出来る方のみ、いらっしゃって下さい。というアプローチです。

 

ある意味、「ノーネクタイの方お断り」のような気取った対応です。


何様だよ?と言われても仕方ない対応です。

 

しかし、これは持続可能な観光を真剣に考えた結果なのです。
今帰仁の状況や優位性、今帰仁の住民の気質、その他様々な事を検討した結果、そうしていくしかない。と私達は考えました。

 

ロケ地(観光地)は守っていかなくては壊れます。
コントロールせず、放置すると壊れるのです。

 

今帰仁村のお隣の本部町では、もう実際に「立ち入り禁止」になる場所も出てきました。

 

〝パワースポット〟立ち入り制限 沖縄・本部「備瀬のワルミ」 違法駐車、ごみ散乱で地元困惑「マナー守って」
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-543447.html

 

実は、備瀬のワルミは、2007年、映画「サウスバウンド」のロケ地となった場所でもありました。

 

私が沖縄フィルムオフィスのスタッフをしている時であり、まさに沖縄フィルムオフィスが、この場所を撮影隊に紹介し、ロケに使われたのです。

 

当時は全く人の来る場所ではありませんでした。
2009年のハートロックがそうであったように。

 

もちろんハートロックと違い、ワルミは聖地なので、容易にバレないよう、相当な気遣いをしていたのですが…それでも情報は徐々に浸透し、多くの観光客が来るようになってしまいました。

 

ですから、備瀬のワルミの混乱は、沖縄フィルムオフィスの功罪。私の功罪とも言えるのです。

私達はそろそろ、「皆さん、誰でも来て下さ〜い」から
「違法駐車やゴミをポイ捨てするお客様はいらっしゃらなくて結構です。」
と勇気を持って言っていかなくてはいけません。

 

客育は、違法駐車やゴミをポイ捨てをしてはいけない。というような事を教える事です。
写真を撮って帰るだけなら、その地域の経済は一向に良くなりません。
経済が良くならないと、インフラは整備されませんし、環境も良くなりません。
ロケ地(観光地)を次の世代に残すには、対価を払わなくてはいけないのです。

 

ロケ受入においても、今帰仁村観光協会は選客・客育していく方針にしました。

 

そこで考え出されたのが、撮影協力費の設定です。

現在、今帰仁村でロケをすると、撮影協力費が求められます。


ロケ・撮影について:一般社団法人今帰仁村観光協会

http://www.nakijinson.jp/1476158272/

ロケ地の保全にはコストがかかるのです。

それは地域の住民の皆さんが担っています。

フィルムコミッションである今帰仁村観光協会は1円もお金を取りませんが、見えないコストを負担している地域住民には支払って頂こう。

出演者には出演料を払うのは当たり前です。

「地域の風景」にも「出演料」が必要なのです。

 

今帰仁村は、恐らく日本で唯一、市町村単位で撮影協力費を取る地域になったのです。

 

もちろん反発もありました。

「有料ならいいです。撮影しません。」「他の場所は無料ですよ?何で今帰仁村だけ有料なんですか?意味が分かりません」怒った調子で批判を受ける事もありました。

 

その度に観光協会は「客育」をし、何故撮影協力費が必要なのか?を説明するようにしました。

 

結果としてどうなったか?

 

 

撮影は減ることはありませんでした。

むしろ、増えています。

 

住民の苦情は激減しました。

撮影に協力する住民が増え、撮影隊も良い雰囲気で撮影出来るようになりました。

ロケ隊のダブルブッキングが実質なくなりました。

ゲリラ・黙っての撮影が激減しました。

(無断撮影は住民が連絡してくれるようになりました)

 

地域の住民は、撮影隊から頂いた撮影協力費で、清掃の頻度を増やしたり、環境の美化を進めたりしています。

 

今のところ、いい事ずくめです。

 

最後に、応用として

・地域にはロケをコントロールする窓口が是非必要だと言う事。

・ロケ対応は、単なる誘致ではなく、ロケ地を守る事でもあり、それは行政の役目だという事。

・但し、ロケ対応は専門性が高く、行政からフィルムコミッションへ委託する事が望ましい事。

・費用対効果が著しく高い事業である事

・住民も喜ぶ事

 

をご説明し、是非各市町村でも今帰仁スタイルを参考にして欲しい。

と締めくくりました。

 

実はこの前日もプレゼンのお仕事をしていまして。

 

そちらの方は県の事業で、「今帰仁村の健康づくり」をテーマにした公募でした。

 

つい先日、無事採択されたとの連絡でしたので近く公表しますが、ダイエットの企画で、とても面白い事を今帰仁でやろうとしています。乞うご期待。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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